12月25日,
卒後教育研修センター長 救急集中治療科の近藤先生による研修医向け勉強会
「中毒・OD」が開催されました.
およそ80ページ(‼)のスライドで情報がぎっしりみっちりと凝縮された1時間超のレクチャー.中毒に苦手意識をもっていた研修医もいましたが,今日の勉強会を聞いて,自信をもって診療にあたることができそうです.
年末年始も毎日ERでがんばり続ける研修医たち.体調など崩すことなくみんなで元気に乗り切ってほしいと願うばかりです.
卒後教育研修センター
★愛知県,名古屋で初期/後期研修を考えている医学生/研修医のみなさんへ★
当センターは,実り多き充実した研修生活が送れるよう,教育熱心な指導医と事務担当がチームとなって初期/後期研修医のみなさんを積極的にサポートしています.
https://nagoya.hosp.go.jp/interndoc-jr/
日頃の研修や勉強会の様子など当院の研修を体感いただけるような記事や,病院見学,説明会,採用活動関連の情報を随時発信してまいります.
興味のある方はのぞいてみてくださいね...φ(´ω`。)
12月25日,
卒後教育研修センター長 救急集中治療科の近藤先生による研修医向け勉強会
「中毒・OD」が開催されました.
およそ80ページ(‼)のスライドで情報がぎっしりみっちりと凝縮された1時間超のレクチャー.中毒に苦手意識をもっていた研修医もいましたが,今日の勉強会を聞いて,自信をもって診療にあたることができそうです.
年末年始も毎日ERでがんばり続ける研修医たち.体調など崩すことなくみんなで元気に乗り切ってほしいと願うばかりです.
卒後教育研修センター
卒後教育研修センターでは年に2回,研修医のフィードバック面談を行っています.
研修医一人ひとりと,センター長または副センター長の先生が30分程ゆっくり話をします.
日頃の研修で良かったことや印象的だった経験,うまくいかなかったこと,悩んでいること,進路の話や休日の過ごし方など,話題は多岐に渡ります.
先日の面談で,副センター長の小暮先生は,手技が上手くできなくてひどく落ち込んでいるという1年次研修医に
「手技は準備とイメージが8割.ものを置く位置,足の位置,手の動かし方,目線の運び方,準備とイメージが整っていなければ上手くいかないのは当然です.上手な指導医をよく見て,その技術を盗み,繰り返し挑戦することで必ず上達しますよ.
ただ,手技が上手いことが医者としての能力が高いこととはいえません.もちろん上手であることに越したことはないけれどね.それよりも患者さんをきちんと診て,頭を使って考えることが大切.
たとえばERで,患者さんの訴えをどれだけ理解してあげられるかということを考えてみて.患者さんの訴えを聞く前にとりあえず血液検査!のようにしていないか,その検査は本当に必要なのか?鑑別は?入院すべきか?帰宅でよいのか?帰宅となったときに,その患者さんの訴えを本当にクリアしているかどうか.
とりあえず検査…のような無意味なルーティン化をしないこと.1例ずつ丁寧に診る,考える.これこそが何よりも大事だよ」
と話していました.
小暮先生「いま医師という仕事をしていて,怖いと感じる?」
研修医「はい,とても怖いです.ERでも,いつも怖い.いまは1年次という立場で上級医に頼ることが多いですが,2年次になって後輩ができたとき,さらに3年次になったときのことを考えると,本当に怖いです」
小暮先生「そうだよね.私も何十年と医師をしているけれど,今でも怖いよ.怖くないと思うようなら医師は辞めたほうがいい.その怖さに立ち向かうには,経験を積んで自分をステップアップさせること.やはり勉強することが大事だよ」
忙しい普段の毎日の研修の中では,自分のことを客観的に振り返る機会はなかなかないものです.
普段は悩みがあるようすや自身の弱みをあまり見せない研修医も,この面談のときは冷静に自己を振り返ることができるようです.
研修医たちはみんな自身の経験や思いを話し,指導医から褒められたりアドバイスをもらったりして,また明日からがんばろう!という表情で面談を終えていきました.
卒後教育研修センター
令和4年度専攻医募集にあたり,
名古屋医療センター 専門研修プログラムおよび診療科説明会を開催いたします.
院外の方はオンラインでご参加ください.
オンライン会議ツールCisco Webex Meetingsを利用し,名古屋医療センターより配信いたします.
※眼科は本説明会での説明予定はありません.ご了承ください.
《日 時》2021年1月12日(火)17:00~18:50
《会 場》名古屋医療センター カンファレンスルームよりWeb配信
《対 象》専門研修プログラムを検討中の初期研修医(医学生の方も歓迎いたします)
《プログラム》(予告なく変更する場合があります)
■17:00 ご挨拶
■17:00-17:10 外科(基幹プログラム)
■17:10-17:20 内科(基幹プログラム)
■17:20-17:30 血液内科
■17:30-17:40 腎臓内科
■17:40-17:50 脳神経内科
■17:50-18:00 腫瘍内科
■18:00-18:10 呼吸器内科
■18:10-18:20 小児科
■18:20-18:30 救急集中治療科
■18:30-18:40 耳鼻咽喉科
■18:40-18:50 リハビリテーション科
参加ご希望の方は,こちらの申込みフォームからエントリーをお願いいたします.
みなさまのご参加をお待ちしております!
卒後教育研修センター
12月5日,
名古屋医療センター初期臨床研修病院説明会を開催いたしました.
今回はCOVID-19感染拡大の状況を鑑み,すべての学生の方にオンラインでご参加いただきました.
プログラム①ERの紹介では,救急集中治療科の自見医師が当院ERの特徴について詳しくお話ししました.
学生の方からは,「多様な背景を持った方々が来院されるという具体的なイメージを持つことができ,大変興味深かったです」「救急車の搬送台数の多さに驚きました.名古屋医療センターならではの症例の特徴や,ERとICUの連携が良いことの利点などについて詳しく知ることができました」と感想をいただきました.
プログラム②1年次研修医による研修紹介では,羽田医師が当院研修医の出身大学の多様さや,ERでの時期ごとの到達目標などについてお話ししました.
学生の方から,「1年目の先生がどのように段階を踏んでステップアップしているのかがわかりやすく,自分が研修医になったときのことが想像できました」と感想をいただきました.
プログラム③当院初期研修を修了した3年次医師による研修紹介では,内科専攻医の梶田医師が自身の初期研修を振り返り,そのときの様子や研修医時代の経験が専攻医として働く現在にどのように影響しているかなどをお話ししました.
学生の方から「研修を終えた感想などを聞く機会はこれまでになかったため,大変参考になりました」「受け持ち患者さんについて誰よりも詳しくなることが研修医の仕事と指導医から教わったという言葉が印象的でした」と感想をいただきました.
全体の質疑応答の後は,グループに分かれて研修医とのフリートークの時間.学生の方からの疑問や質問に,研修医がお答えしました.「小さな疑問にも丁寧に答えてくれて大変有意義な時間でした」と学生の方から感想をいただきました.
今年は新型コロナウイルス感染拡大という異常事態により,研修病院探しに苦労されている学生の方も多いと思います.
今回の説明会が,研修病院選びのきっかけや決め手(!?)となったり,みなさんにとって実りある時間となっていれば嬉しいです.
参加してくださった学生のみなさん,
どこの病院で研修されることになっても
さまざまな経験を積み,良い指導医と出会い
必ずいいお医者さんになってくださいね!応援しています!
名古屋医療センターでは,医学部学生のクリニカル・クラークシップ(診療参加型臨床実習)を各診療科で受け入れています.
現在,愛知医科大学の学生の方が腎臓内科で実習中です.研修医たちともすっかりと打ち解け,研修医室で和気あいあいと話している姿も見られます.
先日は,学生さんが実際に採血をしていました.その相手は…研修医のY医師.
Y医師は学生の方に「いいね,上手だね」とアドバイスしながら採血されていました.
当院の研修医たちは後輩の指導にたいへん積極的で,実習や見学に来てくれた学生のみなさんには惜しみなくいろいろ教えたいと,日頃から「学生さんにこれをやらせてあげよう,あれはどうだろう」と考えている研修医もいるほどです.
クリニカル・クラークシップをきっかけに,当院を研修病院に選んだという先輩医師も多くいます.
学生のみなさん,当院へ実習・見学にお越しになったときには,ぜひ当院研修医からの熱い思いを受け取ってくださいね!
卒後教育研修センター
11月13日,レジナビフェアオンライン中部Week2020に参加いたしました.
ご視聴くださった学生のみなさん,ありがとうございました.
動画をYouTubeに公開しています.
国立病院機構 名古屋医療センター 初期研修紹介(YouTube)
当院の研修医が初期研修について,ありのままに語っています.
研修病院をご検討中の医学生のみなさん,ぜひご覧ください.
卒後教育研修センター
11月13日,レジナビフェアオンライン中部Week2020に参加いたしました.
ご視聴くださった学生のみなさん,ありがとうございました.
学生のみなさんからいただいた初期研修に関するご質問にお答えいたします.
Q1.研修医の出身地はどこが多いですか?
A1.研修医の出身地・出身大学に偏りのないのが当院の特徴です.出身大学は北海道大学から琉球大学まで,さらに海外の大学出身の研修医もいます.愛知県出身の研修医もいますが,愛知県に縁もゆかりもない研修医も多く,皆さまざまな背景をもっていて多様性に富んでいます.
Q2.社会人経験者の応募はどのくらいありますか?
A2.別の学部を卒業(または中途退学),あるいは社会人経験を経て医学部に入り直した方の当院の採用試験受験者は,ここ数年は毎年数名いらっしゃいます.そのような方の中で,実際に当院にマッチして2年間の初期研修を修了した先輩医師もおります.採用試験において,年齢や経歴による受験生の区別は一切いたしませんので,ご安心ください.
Q3.求める人物像を教えてください
A3.患者さんはもちろん,院内のスタッフとコミュニケーションが良好に図れることが重要です.勉強の出来不出来よりも,何事にも積極的に前向きに,笑顔で頑張れる方と一緒にぜひ働きたいと考えています.
Q4.研修医でも学会発表はできますか?その際,補助はありますか?
A4.研修医も学会発表の機会があり,発表する場合は交通費・宿泊費が支給されます.当院は臨床研究センターがあり,研究に興味のある方はサポートを受けることができます.
Q5.現在COVID-19の影響で病院見学に伺えないのですが,見学の回数は採用に影響しますか?
A5.見学の回数は採用に影響しません.ただ,研修病院を選ぶにあたり実際に当院の診療科やスタッフの様子を見ていただくことは重要だと考えておりますので,1回は見学にお越しいただくことをおすすめいたします.またWEBによる見学(診療科の医師および研修医とオンラインでお話しいただきます)も随時受け付けています.
Q6.救急が強く,救急車搬送台数が1万近くということですが,症例を一つひとつ吟味し,ディスカッションする時間などはありますか?
A6.当院は重症症例が多いですが,walk in 症例が比較的少ない傾向にあります.ですから各症例をしっかりと時間をかけて診療できます.複数のER専属医が常駐し,毎日振返りカンファランスを行うなど十分な教育指導体制のもとで研修することが可能です.当直中もそのつど上級医に確認しながら診療できますし,有意義な症例は定期的に勉強会を開いて共有しています.
Q7.どのような手技ができますか?
A7.気管挿管,全身麻酔管理,腰椎穿刺,胸腔ドレナージ,開胸心臓マッサージ,中心静脈カテーテルなど,侵襲性の高い手技も上級医の指導のもとで経験できます.
初期研修に関して他に気になることやご質問がありましたら,お気軽に卒後教育研修センターまでメールでお問い合わせください.
メールアドレス:311-sotsugok@mail.hosp.go.jp
卒後教育研修センター
開催日が近づいてまいりました.再度お知らせいたします.
12月5日,医学生対象
名古屋医療センター(Nagoya Medical Center)
初期臨床研修説明会/オンライン説明会を開催いたします.
当院へお越しいただくか,オンラインでご視聴いただくか,参加方法をお選びください.
オンライン会議ツールCisco Webex Meetingsを利用し,名古屋医療センターより同時配信いたします.
《日時》2020年12月5日(土)14:00より(1時間程度)
《会場》名古屋医療センター 講堂
《対象》医学生
《プログラム》(予定)
①NMCの初期研修紹介:当院の初期研修について研修医が等身大で語ります.
②NMCのER紹介:当院のER研修についてER専属医がお話しします.
③質疑応答:気になってるあんなことやこんなこと,研修医がお答えします.プログラムや研修について,研修医に聞いてみたいことがありましたら下記申込みフォームにご記入ください.
COVID-19感染拡大により病院見学や説明会が軒並み中止となる中,ご自身の進路選択に不安を抱えている医学生の方も多いと思います.
当院の説明会は研修医が企画・運営するカジュアルな会です.
医学生のみなさん,ぜひお気軽にご参加ください.
参加ご希望の方は,こちらのエントリーフォームよりお申込みください.
卒後教育研修センター
藤田医科大学 救急総合内科教授の岩田充永先生には
月に一度当院のER症例振り返りカンファレンスにファシリテーターとしてお越しいただいています.
10月30日のカンファレンスはWebex Meetingsを利用してオンラインで開催されました.
今回は,研修医1年次H医師と専攻医H医師がそれぞれ症例提示しました.
〔症例①〕
50歳代の男性,レベル低下と脱力が主訴の患者さんです.訪問介護の担当者が自宅を訪れたところベッド近くで倒れているのを発見,救急要請しました.
搬送時,JCSはⅠ-1,血圧が低く,徐脈,体温も低下していました.アルコール依存症による肝硬変が既往にある患者さんでした.
H医師は血圧の低さがショック状態と判断,アルコールによる脱水の可能性とショックの鑑別を考えました.
岩田先生:意識障害の鑑別を考えていけばよいですが,患者さんの年齢や生活背景,バイタルをみると,いろいろな要素が複雑に絡み合ったケースかもしれないと念頭に置く必要がありそうですね.徐脈+ショックの場合にはどのような鑑別が考えられるでしょうか?
研修医のH医師は今回の症例を振り返って,徐脈+ショックの鑑別が十分にできなかったことが反省点です…と言っていました.
血液のデータから低血糖が明らかで,さらに急性膵炎が疑われ,補液,血糖の補正が行われました.その後ICUに入院となり,急性膵炎の治療によりバイタルは正常化したということです.
岩田先生より,肝硬変が既往にある患者さんの血糖補正の際の注意点と,コンサルテーションの仕方についてアドバイスをいただきました.
〔症例②〕
80歳代の女性,意識障害の患者さんです.施設入所中の方で,昼過ぎに突然顔面蒼白になり,倒れ込みました.要介護4ですが施設内では歩行器歩行でき,食事も自己摂取できる方です.
搬送時のGCSは3点.意識障害とⅡ型呼吸不全…挿管が必要となりそうだな…と上級医と相談しているところへ患者さんの入所している施設の方が到着されました.
施設の方によると,この患者さんは「人工呼吸器は嫌だ」という Living Will をお持ちの方でした.
専攻医のH医師は,現時点では患者さんの状態が不治であるかはわからない…ただ自発呼吸では直に呼吸停止してしまうだろう…どうしよう…と考えました.
ここで専攻医H医師より,カンファレンスに参加していた研修医のみんなに向けて質問が投げかけられました.
研修医の皆さんなら,どうしますか?
①何を言っているんだ!挿管するに決まっている!
②要はDNARでしょう?何もしなくて良いんじゃ…
③補助換気しながら,可能な範囲で原因検索をしよう
④(他の意見はありますか?)
CT検査によると気管内異物があり,気道閉塞が最も疑わしかったということです.ERでは意識レベルの改善はなく,いつ呼吸停止するかわからない状態でした.内科の医師により入院,Living Will 通りに侵襲的なことは行わない方針となりました.
患者さんは翌日,覚醒し会話可能になり,麻痺などの症状もありませんでした.誤嚥性肺炎の治療を行い,第11病日で退院し元の施設に戻ることができました.
岩田先生は「非常に深くて,難しいケースでしたね.今回の Living Will は不治かつ末期である場合に延命措置を施さないでほしいということであり,われわれ医師は患者さんを目の前にしたら救命できる疾患がないか原因検索の手を止めてはいけないし,救命できる方法がないか考えることをやめては決していけないですよね」と仰いました.
専攻医のH医師は,Living Will のはっきりしている患者の意識障害を経験し,延命を希望しないことと治療をしないことは同一ではないことを再認識できたと発表しました.カンファレンスに参加していた研修医のみんなもDNAR,Living Willについて改めて考えることができました.
1人ができる経験は限られていますが,こうして1人の経験を共有することで全員のレベルアップにつながります.
岩田先生,ありがとうございました.
卒後教育研修センター
医学生、研修医の皆さまへ
本日(10月19日)より病院見学の制限を解除しました。
当院は全国から学生が集まることが特徴でしたので、制限がありお断りをしていた時は
本当に心苦しかったのです。お断りをした皆さん、本当にごめんなさい。
本日から申し込みができますので、
実際に来ていただいて、当院をみていただけたらと思います。
お申込みをお待ちしてます。
https://www.nnh.go.jp/interndoc-jr/tour/
12月5日,医学生対象
名古屋医療センター(Nagoya Medical Center)
初期臨床研修説明会/オンライン説明会を開催いたします.
当院お越しいただくか,オンラインで参加されるか,参加方法をお選びください.
オンライン会議ツールCisco Webex Meetingsを利用し,名古屋医療センターより同時配信いたします.
《日 時》2020年12月5日(土)14:00より(1時間程度)
《会 場》名古屋医療センター 講堂
《対 象》医学生
《プログラム》(予定)
①NMCの初期研修紹介:当院の初期研修について研修医が等身大で語ります.
②NMCのER紹介:当院のER研修についてER専属医がお話しします.
③質疑応答:気になっているあんなことやこんなこと,研修医がお答えします.プログラムや研修について,研修医に聞いてみたいことがありましたら下記申込みフォームにご入力ください.
COVID-19感染拡大により病院見学や説明会が軒並み中止となる中,ご自身の進路選択に不安を抱えている医学生の方も多いと思います.
当院の説明会は研修医が企画・運営するカジュアルな会です.
医学生のみなさん,ぜひお気軽にご参加ください.
参加ご希望の方はこちらの専用フォームからエントリーをお願いいたします!
卒後教育研修センター
救急集中治療科の紹介動画を病院ホームページ,YouTubeで公開しています.
→救急集中治療科医師募集(国立病院機構 名古屋医療センター)(YouTube)
当院の救急集中治療科の特徴が詳しく紹介されています.
現在研修中の研修医も登場します!
当院のERで働くイメージを思い描いていただけると思います.
救急に興味のある医学生のみなさん,ぜひご覧ください!
卒後教育研修センター
藤田医科大学 救急総合内科教授の岩田充永先生には
月に一度当院のER症例振り返りカンファレンスにファシリテーターとしてお越しいただいています.
9月25日の救急カンファレンスも前回と同様Webex Meetingsを利用してオンラインで開催されました.
今回の症例提示は研修医2年次のM医師.
今年1月,M医師が1年次でERをローテーションしていた時に担当した症例です.
午後5時頃,ちょうど日勤帯から当直帯に引継ぎをしている時間でER内は少しバタバタとしていました.
90歳代の男性,SpO2低下と不穏が主訴の患者さんです.
入所中の施設内の浴槽に顔をつけた状態でうつぶせに浮いているところを施設職員が発見し救急要請しました.
男性はADL自立しており,普段から一人で入浴していました.その時は浴室内で気を失って浴槽に倒れたようでした.
到着時,意識レベルⅠ-3,顔面蒼白,頻呼吸,顔を横に振り呼吸苦を訴えて不穏が強くありました.
SpO2低下は水をたくさん飲みこんだことによるものだと考えられました.
では、なぜうつぶせで浴槽に沈むようなことになってしまったのか,原因はどのようなことが考えられるでしょうか?
岩田先生から質問が投げかけられます.
M先生はその時,意識障害の原因は何だと疑って検査をしていたのですか?
M医師は「当時1年次だった自分は,意識障害の原因究明にまで気が回っていませんでした.苦しそうにしている目の前の患者さんをどうしてあげたらよいのかと考えるだけでいっぱいだったように思います」と話しました.
患者さんは誤嚥,陰圧性肺水腫の疑いでHCUに入院となり,その後1週間ほどで呼吸状態は改善し退院されました.
意識障害には必ず何か原因があるはずです.起きている事態(患者さんの今の状態)に対処しながら,原因探索を同時に進行していかなければなりません.今回の症例は,原因究明はできなかったですが,起こった事態に対しては上手く対処できた…
これはモヤっとする症例でしたね,と岩田先生.しかしこのようなケースはよくあります.高齢者の場合,真水の誤嚥だけであっても肺水腫になる危険性があるということを1年次の先生たちには知っておいてほしいです.
岩田先生からは,意識障害・失神の原因究明の考え方や,NPPV装着時,プロポフォール使用の際の注意点などについて解説がありました.
M医師が担当した症例について参加した研修医全員で考え,ERでの思考過程を共有することができました.
岩田先生,ありがとうございました.
次回は10月末に開催予定です.
卒後教育研修センター
2020年9月8日より病院見学受け入れを再開いたしました.
受け入れには条件がありますので,詳細は当院ホームページをご覧ください.
なお,個別WEB診療科説明会も引き続き随時受け付けております.
医学生のみなさん,ぜひお気軽にお申込みください.
卒後教育研修センター
藤田医科大学 救急総合内科教授の岩田充永先生には
月に一度当院のER症例振り返りカンファレンスにファシリテーターとしてお越しいただいています.
8月28日の救急カンファレンスはオンラインで開催されました.
今回は研修医1年次のY医師が症例提示をしました.
5月,ERローテが始まって間もないある日,朝8:20頃の当直帯からの引継ぎの時間に救急搬送された患者さんです.
患者さんは70歳代の男性,社宅に住んでいる隣人がバタンという音を聞いて玄関の戸を開けると男性が倒れているのを発見,救急要請しました.男性は意識を失って倒れたようでした.
救急隊によると,男性は意識を取り戻し,開眼しているものの目線が合わないようだということです.倒れたときに頬を打ち,擦過傷がありました.
到着時,少しぼんやりした印象ではあるものの意識はクリアな状態で,SpO2が低下していました.患者さん本人によると,トイレに行こうとしたら嘔気を感じ,その後倒れたようだということでした.
Y医師は,JCSは0と判断.SpO2低下ですが胸部レントゲンには肺炎などの所見は認めません.
ここで岩田先生からの問いかけ!
JCSが0かⅠか,それによって鑑別が変わってきますよね⁉
失神プラスSpO2低下はどんな鑑別が挙げられるでしょうか?
岩田先生の問いかけに,参加した研修医たちは考えます.
Y医師は不整脈を疑い,心電図と心エコーの検査を行いましたが不整脈の兆候は認めませんでした.次に行うべき検査として,転倒時に擦過傷ができるほど頭を打っていることから,頭部CTが必要ではないかと考えたY医師でしたが,上級医は体幹部の造影CTをオーダーしていました.
ここで岩田先生からの問いかけ!
Y先生は何を疑ってその検査が必要だと考えたのでしょうか?
自分の考える検査と異なる検査を上級医が行っていて,Y先生はどう思ったのですか?
造影CTの結果,肺塞栓症であることが判明し,患者さんは循環器内科の専門医のもと適切な治療を受けることになりました.
あとから振り返ると,所見,検査結果,すべてが線となってつながりますが,経験しないとわからないものです.早い時期にこのようなケースを経験できたことはY先生にとってよいことでしたね,と岩田先生.ERでの診察の鉄則は○○を疑って××の所見を探しに行くという診方,そして自分の考えと違うことを上級医が行っていたときにはその場でなぜそれが必要なのか聞けるといいですね,とおっしゃっていました.
研修が始まって1か月足らずの時期だったY医師にとって,今回の症例はとても学びの多いものになりました.
1人で経験できる症例は限られていますが,こうして1人の経験を共有することで全員がレベルアップできます.
1年次,2年次研修医とレジデントやスタッフ医師も参加し,充実した勉強会となりました.
岩田先生,ありがとうございました.
次回は9月末,オンラインでの開催予定です.
卒後教育研修センター
8月14日,15日の2日間にわたり
令和3(2021)年度初期臨床研修医採用試験を実施いたしました.
今年は新型コロナウイルス感染症の流行拡大により,すべての受験者を対象にオンラインで採用試験を行いました.
当院の研修医は出身大学に偏りがなく,全国各地からさまざまなバックグラウンドをもつメンバーが集まっていて多様性に富んでいるのが特徴の一つです.今年も北海道から九州まで全国各地の大学の学生の方が受験してくださいました.
採用試験は午前に筆記試験,午後から面接を行います.
当院では,研修医による面接と幹部・指導医による面接の2種類の面接を受けていただいています.来年4月からもっとも近い上級医となる現1年次研修医が,採用活動に積極的に関わっているのです.研修医たちは診療科のローテーション研修の合間の時間を見つけては面接の方法や学生の方への言葉がけなどについて話し合いを重ね,準備を進めてきました.
当院の採用試験では,私たちが受験生のみなさんを面接するのみならず,受験生のみなさんに研修医も含め私たちを面接していただいていると考えています.名古屋医療センターの文化に共感し理解していただいたうえで,医師としての第一歩を踏み出し,充実した2年間の研修を行ってほしいと思うのです.
オンラインでの実施となり,当院としても初めての試みで不慣れな点が数多くありましたが,受験生のみなさんにご対応いただき2日間のスケジュールを無事に終えることができました.
数ある全国の臨床研修病院の中から当院を志望し受験してくださった学生のみなさん,ありがとうございました.
一緒に働く日を,楽しみにしています!
卒後教育研修センター