2月9日の夕方,
救急集中治療科の森田先生による研修医のための勉強会
「ショック」が開催されました.
ショック・循環の定義,ショックの分類,対処などの解説のあと,
症例提示がありました.
◆みんなで考えよう! ~あなたは研修医2年目です~◆
・消化器内科ローテ中,21時頃に病棟の患者さんに会いにいくと,隣の患者の息が荒いことに気づいた.見ると仰臥位で努力性に大呼吸をしている80代男性の患者がいた.
・呼びかけに開眼するが,発語はなく,離握手はなんとかできる.四肢冷汗著明.橈骨動脈は触知するも微弱で速い.末梢チアノーゼあり.
問:重要だと思われる順に検査を4つ,治療のプランを4つ述べなさい.
研修医はグループに分かれて,ディスカッションをしました.
その後,身体所見と検査結果の提示があり,さらに森田先生からの問いかけ!
問:疑わしい診断名とプロブレムリストを述べ,上級医にコンサルトしなさい.
勉強会の終盤,研修医から質問が出ました.
「結局,この症例の答えは何だったんですか?」
森田先生は
「今回のケースは“肺炎を契機とした心不全増悪”であると考えられます.しかし他にもさまざまな可能性があり,必要な検査もまだ考えられます.ICUに場所を移動して,処置を続けることになるでしょう.
ただね,“正解”というのはないんだよ.みんなで話し合ってもらう過程が何より大事であって,正解がどれっていうのはそんなに大事じゃない.
自分がどういうことを考えて,どのような検査をオーダーしたか,それが今の実力なんだね.私が出した答えと違っていてもいい.そこに至るまで,問題をちゃんと一つひとつつぶせたか,鑑別できていたか,考えが至っていたかっていうのを,しっかり吟味してほしい.
自分がどの程度考えられたか,それを認識できたことが大事なんだよ.
だから,それぞれね
十分考えられたから良かったと感じる人もいれば,
あ,まだ考えが足りなかったなと思う人もいる.それでいいんです」
と答えていました.
「プロセスが大事」
森田先生のことばに,深くうなずく研修医たちでした.
卒後教育研修センター