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2020年6月30日火曜日

研修医のためのER診療LIVEカンファレンス!

6月27日,
第6回 研修医のためのER診療LIVEカンファレンス!
がオンラインで開催されました.

今回で6回目となったこのLIVEカンファレンス,
藤田医科大学救急総合内科 岩田充永教授のファシリテーションで,研修医が経験した症例についてどのような症状で来院し,どんな疾患を疑い診療を進めていったのか参加者全員でディスカッションしながら振りかえります.
今回は,大同病院,藤田医科大学病院,当院の3病院をオンラインでつなぎ,各施設の研修医が症例提示しました.

【症例①】
60代男性,walk inでERに来た患者さんです.
ゴルフの素振りをしている最中に突然肩に痛みが走ったということです.それから数時間が経ってから両肩と前頸部の痛みが治まらないのでERを受診されました.
痛みのレベルをたずねると,痛みには波がある感じで10段階のうちはじめは6~7くらいで数時間経過した今は5くらいと患者さんは答えられました.
ERでは現病歴の聴取がもっとも重要であると岩田先生,この症例では「突然」起こった痛みというのがキーポイントになりそう…とディスカッションを進めていきます.
また痛みのレベルについては,このケースでは痛みに波があるとは言えず持続する痛みという判断が適切そうであり,患者さんのことばを鵜呑みにしないことも大事だとコメントされました.
身体診察では,全身をくまなく診るのではなく,○○を疑って××な所見を探そうという診方がERにおいては必要です.
CT検査の結果,くも膜下出血の所見があり,担当した研修医は驚いたといいます.こんな主訴(痛みのレベルは10段階のうち5)で,walk inの患者さんで,こんな重症なケースがあるのか…と.
walk inの重症を見抜くには,病歴の聞き方がすべてです.その症状が起きた時の状況が再現VTRにできるくらいに詳しく聴取することが重要だと岩田先生はおっしゃいました.

【症例②】
70代男性,救急車で搬送されてきた患者さんです.
朝ベッドから起き上がろうとした時に力が入らず,立ち上がることが困難で這ってトイレまで行くような状況で,ご家族が救急要請されました.
岩田先生:病歴聴取がすべて!さあ,研修医のみなさんはどんなことを聞きますか?
研修医A:既往歴と,力が入らないというのに左右差があるかどうか聞きます
研修医B:内服薬について聞きたいです
研修医C:ご家族にADLや普段の歩行のようすなどについて聞きたいです
岩田先生:みなさんいい視点ですね.たしかに高齢者のよくわからない主訴は内服薬に原因があるケースも多いですね.ADL自立の方が朝起きたら這ってトイレに行かなければいけない状況,これは明らかに異常ですよね.
この患者さんは来院して数時間後には症状が改善され,「一過性脳虚血発作の疑い」という診断となりました.その後も再発はなく,後日のMRI再検の結果でも急性期脳梗塞を疑う所見は認めませんでした.
岩田先生:これはモヤモヤする症例ですね.はっきりとした診断に至らずに結局よくわからないというモヤモヤする症例に遭遇したとき,治療可能なものを見逃していないか,翌日に死亡する可能性を見逃していないか,というのが大事です.モヤモヤする症例にどう対応するかというのも,各施設での課題となりますね.

初期/後期研修医と上級医/指導医,看護師,医学生の方もオンラインで,また会場にも集まって参加されていました.
各症例とも,研修医の先生たちの発表と岩田先生のファシリテーションで指導医・上級医の先生方からもリアルな意見が活発に飛び交い,まるでそのときの現場が目の前にあるようでERでの思考過程を共有することができました.
卒後教育研修センター

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