★愛知県,名古屋で初期/後期研修を考えている医学生/研修医のみなさんへ★

当センターは,実り多き充実した研修生活が送れるよう,教育熱心な指導医と事務担当がチームとなって初期/後期研修医のみなさんを積極的にサポートしています.

https://nagoya.hosp.go.jp/interndoc-jr/

日頃の研修や勉強会の様子など当院の研修を体感いただけるような記事や,病院見学,説明会,採用活動関連の情報を随時発信してまいります.

興味のある方はのぞいてみてくださいね...φ(´ω`。)




2021年11月29日月曜日

研修医勉強会「藤田医科大学 岩田充永先生の救急カンファレンス」(2021.11)

藤田医科大学 救急総合内科教授の岩田充永先生には

月に一度当院のER症例振り返りカンファレンスにファシリテーターとしてお越しいただいています.救急外来で経験した悩ましい症例や勉強になった症例,みんなに共有したい症例を岩田先生と一緒に振り返ります.

コロナ禍になってからはオンラインでの開催が続いていましたが,11月26日のカンファレンスは久しぶりにオフライン開催となり,研修医たちは「今日は本当に岩田先生がお越しになるんですね!今まで画面の中でしかお会いできなかった岩田先生に,会えるんですね!」と盛り上がっていました.クリニカル・クラークシップで実習中の愛知医科大学の学生さんも2人参加してくれました.

岩田先生がお越しになると聞いて臨床検査科の山本涼子先生は,「研修医のみんなを応援したくって…」とお菓子をたくさん差し入れしてくださいました.当院初期研修を修了された山本先生はいつも研修医たちのことを気にかけてくださっています.山本先生ありがとうございます.

今回の症例提示は,1年次のO医師.

ERローテ中の平日,救急車で搬送された50歳代男性のケースです.

主訴は吐下血ショック,宿泊中のホテルのベッドで倒れていたのを従業員が発見,救急要請しました.

O医師はさまざまな鑑別の可能性を考え,CT,超音波,心電図など検査を行いました.岩田先生は「これは難しそうなケースですね.●●を疑うけれど,そうだとするとこのバイタルとは矛盾する….診断はわからないけれど,とにかく治療を進めたいケースです.治療をすることで状態が良くなっていくのか,これからさらに悪くなるのか.ERでは答えの出ないケースかもしれませんね」とコメントされました.

患者さんはICUに入院,全身状態のサポートを続けることになりました.同時期にICUをローテ中で現在も患者さんの治療に携わっている1年次H医師が経過を報告していました.

カンファレンスの中で,

岩田先生「O先生はこの血液データを見て,どこが気になった?」

1年次O医師「△△と××が….〇〇は,すみません…,気にしていませんでした」

岩田先生「いやいや,同じデータ・数値を見ても,若い先生たちと僕たち指導医たちとでは着目するポイントが違うんだよね.それは悪いことでは決してないんです.そのすり合わせをするのがカンファレンスだからね」

というやりとりがありました.

会場に集まった研修医たちは,O医師のプレゼンと岩田先生のコメントに耳を傾けながら,「自分なら何を疑ってどのような検査をオーダーするかな?どんな情報収集が必要かな?」と,ERでの思考過程をイメージしていました.


岩田先生,ありがとうございました.

次回は12月末に開催予定です.

卒後教育研修センター

2021年11月19日金曜日

令和4年度初期臨床研修医 二次募集終了のお知らせ

 令和4年度初期臨床研修医 二次募集を行っておりましたが,

定員に達したため終了いたしました.

ありがとうございました.

卒後教育研修センター

レジナビFairオンライン2021 3次救急指定市中病院特集 に出展します

 レジナビFairオンライン2021 3次救急指定市中病院特集 ~臨床研修プログラム~

に出展いたします.

2021年11月24日(水)18:00より,救急集中治療科ER室長の近藤貴士郎医師と2年次研修医が生配信でお話しします.


当院は救命救急センターを有し,名古屋市中心部から北西部の3次救急医療機関としての役割を担っています.救急車受け入れは年間8,000台を超え,名古屋市内でも有数の規模です.症例のバリエーションが豊富で,ERでの初期診療からICUでの重症管理まで,熱心な指導医のもとで一貫して研修することができます.ERでは,重症度判断や初期治療はもちろんですが,walk-in患者も多くありふれた症状から隠れた重症患者を見落とさないトレーニングも可能です.多数患者のマネジメントや社会的背景への介入についても学ぶことができます.


研修病院をご検討中の医学生のみなさん,ぜひご覧ください.

レジナビFairオンライン2021 3次救急指定市中病院特集 ~臨床研修プログラム~

卒後教育研修センター

研修医勉強会「外科医が教える腹部救急CT画像読影」(2021.11)

 11月18日夕方,

外科の末永雅也先生による研修医のための勉強会

「外科医が教える腹部救急CT画像読影」が開催されました.


“戦場(ER)を生き抜くための実践のテクニックを初期研修中に身につける第一歩にする”

画像診断は「正常とざわざわ」だと末永先生は話していました.

まずは正常を知る!正常解剖の知識を身につけることで,異常所見があるときに「ざわざわ」何かおかしいと認識でき,診断へつながります.ただし,同じものを見てもそこから得られる認識(ざわつく度合い)は異なるので修練が必須ということです.


勉強会には,外科の竹田副院長や専攻医以上の若手医師も多数集まり,“チーム外科”の結束力と,研修医たちへの愛情を実感するものがありました.

末永先生,ありがとうございました.

卒後教育研修センター

研修医勉強会「キズとナートの話」(2021.11)

 11月16日夕方,

救急集中治療科ER室長の近藤貴士郎先生による研修医のための勉強会

「キズとナートの話」が開催されました.

本日の目標…

キズを見つけたときに

◇何を評価すべきか

◇処置・縫合の適応と方法

を理解する.


〇キズの受傷時間を確認する

〇キズの名前をつける

〇キズの場所を記載する

〇キズの大きさ・形をみる

〇キズの深さをみる

〇キズに異物が入っていないか探す

〇キズの合併損傷をみる

〇キズの処置をする

各項目について,基本的な内容からERでよく出会う症例に基づいた実践編まで詳細な解説がありました.


近藤先生,いつもありがとうございます.

卒後教育研修センター

2021年11月15日月曜日

研修医勉強会「やり直し感染症と抗菌薬 はじめの一歩」(2021.11)

 11月5日夕方,

腫瘍内科の杉山圭司先生による研修医のための勉強会

「やり直し感染症と抗菌薬 はじめの一歩」が開催されました.


■この患者さん,抗生剤どうする?と聞かれても答えられない,何なら聞かないでほしい…

■何を覚えたらいいかわからない

■ERや病棟で抗菌薬を選択した経験がない、あまりない

そんな1年次研修医を対象に,内容を厳選してごくごく基本的なもので…ということでしたが,診療看護師の方や2年次研修医も数多く参加し,にぎやかな勉強会となりました.

感染臓器と患者背景が整理できると起炎菌が絞られ,標準治療薬・対応も自然と定まります.講義の中では「使用できるようにしておきたい厳選抗菌薬(6個or4個)」(←6個は多くて覚えるの難しいわ…片手で数えられる数超えてるし…という人にはまずこの4個!ということでした)について詳しい解説がありました.

2年目,3年目となったときに,感染症や抗菌薬に少しでも苦手意識が減って,主体的に診療にあたれるようになるといいと思います,と杉山先生よりメッセージがありました.

杉山先生,ありがとうございました.


学生や研修医の方が見学へお越しになった際には,研修医勉強会へもご案内できます.ぜひ当院の勉強会の様子を見て,研修生活の一部を体験してみてくださいね.

卒後教育研修センター

2021年11月11日木曜日

研修医勉強会「藤田医科大学 岩田充永先生の救急カンファレンス」(2021.10)

藤田医科大学 救急総合内科教授の岩田充永先生には
月に一度当院のER症例振り返りカンファレンスにファシリテーターとしてお越しいただいています.救急外来で経験した悩ましい症例や勉強になる症例,みんなに共有したい症例を岩田先生と一緒に振り返ります.
10月29日のカンファレンスはオンラインで開催しました.

今回の症例提示は,2年次のY医師.
ERローテ中の平日の昼間15時頃,救急車で搬送された50歳代男性のケースです.
主訴は右背部痛と呼吸苦.数か月前より食欲が低下,搬送当日の午前中は自宅でテレワークをしていてお昼頃から右背部痛が増悪し,息が吸えないほど苦しくなったため救急要請しました.
病院到着時,血圧が低くショックバイタルでしたが,意識清明で呼吸が苦しいと言いながらもSpO2は良好でよくしゃべる様子がありました.
「よくしゃべる」というのは脳血流低下の徴候の可能性もありますね、と岩田先生のコメントがありました.
「それで,Y先生はまずなにから始めようと考えたのですか?」と岩田先生が問いかけます.
Y医師は「まずはショックバイタルの立て直しから考えないといけないと思いました」と答えました.
その後,必要な検査を考え,ショックの原因検索をすすめていきましたが,ショックの原因となる所見はみられず,八方塞がりだ…どうしよう…とY医師は悩みました.
患者さんに飲酒歴を尋ねたところ,1日に缶チューハイを3~4本,食欲が低下してきたこの数か月の間も以前と変わらない量のお酒を毎日飲んでいたとのことで,低栄養,脱水,ビタミンB1欠乏の可能性が考えられました.
ERでは原因の特定に至らないまま総合内科に入院することになったこの患者さんは,当日中にはバイタルが安定,背部痛も改善し,5日後に退院となりました.

岩田先生からは
「思いのほか,このような症例は多いですね.よくわからないけど重症そう…というケースは,ラクテートに注目する.見慣れないショックの場合は薬剤と生活習慣に注目するのも大事です」とコメントがありました.

Y医師は,
「このような見慣れないショックのケースに出会って,ショックの原因検索の幅を広げるきっかけとなりました」と話していました.
Y医師の経験した症例を参加した研修医全員で考え,ERでの思考過程を共有し,頭の中を整理することができました.1人でできる経験は限られたものですが,こうして共有することで全員がレベルアップできます.

岩田先生,ありがとうございました.
次回は11月末に開催予定です.
卒後教育研修センター