★愛知県,名古屋で初期/後期研修を考えている医学生/研修医のみなさんへ★

当センターは,実り多き充実した研修生活が送れるよう,教育熱心な指導医と事務担当がチームとなって初期/後期研修医のみなさんを積極的にサポートしています.

https://nagoya.hosp.go.jp/interndoc-jr/

日頃の研修や勉強会の様子など当院の研修を体感いただけるような記事や,病院見学,説明会,採用活動関連の情報を随時発信してまいります.

興味のある方はのぞいてみてくださいね...φ(´ω`。)




2017年12月26日火曜日

研修医勉強会「SEA」

NMC名物研修医勉強会,総合内科 脇坂先生によるWakipedia

12月25日クリスマスの今日も,研修医たちが集まりました.

SEA(Significant Event Analysis)という方法で
日々の研修の中で,モヤモヤしたこと,嫌だったこと,感動して涙が出たこと,悔しかったこと,心がズーンとしたこと・・・自身の感情が揺さぶられた経験について振り返りました.

研修医1年次 Y.Y医師がERで経験した症例;
60代 女性
動悸と脱力を主訴に救急搬送
HR150 BP高め
心電図検査に異常を認め,心疾患が疑われました
ひと通りの診察を終え,お手洗いに行かれる患者さん
その歩き方を見たY.Y医師は,何か違和感を覚えました.
そこでもう一度診察をし直してみると,左下肢に脱力を認め,
CT検査の結果,視床出血が起きていることがわかりました.

▶Y.Y医師と話を聞いた同期メンバーの気持ち・・・
あぁぁ気がついて良かった・・診察し直して良かった・・
見逃すかもしれなかった
コワイなぁ・・
動悸が主訴の場合 心電図検査をすることは当然.
そこで頭に何か起こっているかもと疑う視点はバタバタしているERではなかなか持てないなぁ
視床出血なら頭痛など症状が出ていてほしいよぉ・・

このように,さまざまな感情がワァッと動いたとき,人は教科書や参考書を読んで勉強するよりも,先輩のレクチャーを聞いて勉強するよりもはるかに,大きな学びを得て成長するのです.
その経験は自分自身を成長させ,さらに後輩へ伝えるときには言葉に“魂”がのるのだと脇坂先生は言います.

日々の臨床の中で,
こうしたほうがもっとよかった,あれで本当によかったのだろうか・・・と反省するのが8割,
自分の判断は間違っていなかった,気がつくことができてよかった・・・と思えるのが2割・・いやもしかしたらもっと少ないかも,と脇坂先生.
少し恥ずかしいけれど,失敗や反省を話して仲間と共有することで,自分自身の感情や言動を客観的に振り返る・・・そんな機会をもつことが医師としての成長の階段を上る一歩でもあります.

慌ただしく過ぎ去る日々の研修で,ただ毎日をこなすだけではなく
ときには少し立ち止まって,経験を省察する・・・
よし!また明日からがんばろう!と気持ちを新たにした研修医のみんなでした.

卒後教育研修センター

2017年12月22日金曜日

セミナー開催のご案内「ERにおけるがん診療」


平成30年2月10日(土),
研修医向けセミナーを開催いたします!

第38回 NMC研修医のためのブラッシュアップセミナー
救急外来に携わる医師・コメディカルのための
「ERにおけるがん診療」

日 時:平成30年2月10日(土) 13:30~15:30(受付開始13:00)
場 所:名古屋医療センター 外来管理棟5階 第1会議室※当日は時間外入口より道案内がございます
講 師:小暮 啓人 先生(名古屋医療センター 呼吸器科・臨床腫瘍科)
参加費:500円(学生の方は無料です)

救急外来に携わる初期・後期研修医,学生さんからベテラン医師の方,看護師・コメディカルの方,どなたでもご参加いただけます.皆さま,ぜひお越しください!

参加ご希望の方は,こちらの申込みフォームよりエントリーをお願いいたします.
卒後教育研修センター

研修医勉強会「M&M」

毎週木曜日の夕方は,研修医の先生たちによる
M&Mカンファレンスの時間です.(通称エムエム

M&Mとは…
Mortality&Morbidity
研修医の先生たちがそれぞれ担当した症例を提示し,
オープンにディスカッションします.
モヤモヤや失敗を共有して,一人の経験をみんなで次に生かしていこう!
というカンファレンスです.

12月21日の担当は研修医1年次のS.K医師でした.
神経内科レジデントの伊藤先生がファシリテーターを務めてくださいました.

S.K医師の入念に準備された発表を聞いて,同期のY医師は「来月自分もエムエムで発表するけど,K先生の見事な発表を見たらプレッシャーが・・・でも,自分のできることを精一杯がんばります!」と笑顔で話していました.
1年次研修医13名.お互いに支え合いながら,刺激を与え,刺激を受け,切磋琢磨してがんばっています.

わからないことや気になることがあったらいつでも相談して,と言ってくださるファシリテーターの伊藤先生.勉強会が終わってからも,伊藤先生を囲んで研修医たちの質問が続いていました.
卒後教育研修センター

クリスマスコンサートを開催しました

今年ももうすぐクリスマスですね.

12月21日,
学校法人南山学園 南山高等・中学校女子部 器楽部の皆さんによる
 ♪ を今年も開催することができました.

12月に入り煌びやかなクリスマスツリーが飾られたロビーに
器楽部の皆さんが演奏する優しい音色が響きわたりました.
本日の演目は,
🎵クリスマスメドレー
🎵いつも何度でも
🎵となりのトトロ
🎵海の見える街(以上,久石譲)
🎵情熱大陸(葉加瀬太郎)
でした.

ヴァイオリン,ヴィオラ,チェロ,コントラバス,弦楽器の穏やかな音が,
通院・入院中の患者さまやご家族の皆さま,病院スタッフの心を癒してくれました.

南山高等・中学校女子部 器楽部の皆さん,素敵な演奏をありがとうございました.
最後にそろって記念の1枚♫

それでは皆さま,素晴らしいクリスマスをお過ごしください.
卒後教育研修センター

2017年12月15日金曜日

研修医勉強会「中毒・OD(後編)」

12月14日,
集中治療科ER室長の近藤貴士郎医師による研修医のための勉強会
中毒・OD(後編)」が行われました.

Q:2M けいれん
 ・食事後に5分ほどの全身性のけいれんを発症して救急搬送
 ・来院時Ⅰケタ 36.7℃ HR130 110/70
 ・両親によると,食事中に銀杏を10個ほど食べていた
 ・治療薬は?
A:銀杏中毒.けいれんに対して特異的な治療はビタミンB6が有効.

Q:30M 耳鳴り,嘔気
 ・頭痛がひどいので市販の鎮痛薬をたくさん飲んだ.3時間後,耳鳴りと嘔気あり受診
 ・注意すべき中毒は?
A:サリチル酸(アスピリン)中毒

他にも・・・
・フグ中毒
・ジギタリス中毒
・高マグネシウム血症
・キシロカイン局所麻酔中毒
・キノコ中毒
・CO中毒
など,さまざまなケースをQ&A方式で勉強しました.
近藤先生の質問に,悩みながらも答える研修医のみんな.
特に1年次のI医師の回答に,近藤先生は
「I先生,中毒くわしいねえ~」と感心していらっしゃいました.
キノコ中毒について
「この中で食べてもよいのはどれ?」と出された写真をみて
「わあ!スーパーマリオにでてくるキノコみたい!」(写真②有毒のベニテングタケ)

ときどき笑いも起こりながら,楽しく勉強した1時間でした.
近藤先生,ありがとうございました.
卒後教育研修センター

2017年12月13日水曜日

研修医勉強会「1年次のみんなへ」

12月.2017年も残りわずかとなりました.

1年次のみんなは,入職して8ヶ月が過ぎました.
4ヶ月後には,2年次となり後輩を教える立場になります.

この日は2年次のH医師が,1年次のみんなに向けて
ERで働くうえで今一度確認しておきたいことを話しました.

①社会人としての基本を確認
研修医1年次のみんなは,社会人としても1年生.
社会人としてのモラル・マナーがきちんと守れていますか?
患者さんへはもちろん,他職種のスタッフへも敬意をもって接することができていますか?

②気になっていること
トリアージやカルテの書き方について,もう一度よく考えてみてください.
「大丈夫…だと思います」…は絶対にダメ.検査やコンサルトのハードルを意識的に下げ,診療にあたってください.

目の前のことだけに精一杯になっていませんか?
ER全体をみまわすということを忘れないで.

③これからに向けて
自分にできることを常に探そう!
でも一人でがんばりすぎないこと.
注意されたときは成長のチャンス!
自分から積極的に関与して,先輩のワザを見て聞いて学ぼう.

◇最後に・・・
毎日病院で働く私たちにとってERという場所は日常のもの.
しかし患者さんやそのご家族にとっては究極的に非日常のものであるということを忘れないで.

それでもERって,体力的にも精神的にも堪える場所ですよね.
でも私たちは自分で医師という職業を,そして当院での研修を選んだんですよね.
そしてまだまだ未熟ではありながらも,免許を持ち,お金をもらって仕事をしています.
常に学び,成長し続けることが義務であり責任です.
一緒にがんばっていきましょう.

君たちはここがダメ,こうしなきゃダメ...
などと指摘したり怒ったりするのでは決してなく,
H医師の優しい語り口調とことばが1年次のみんなの心に沁み込んでいくようでした.
勉強会にはH医師の他にも続々と2年次のメンバーが集まり,後輩たちへの期待と愛情と,そしてもうすぐ3年次となる自分たち自身への覚悟のようなものを感じる会でした.
卒後教育研修センター

2017年12月8日金曜日

研修医勉強会「中毒・OD(前編)」

12月7日,
集中治療科ER室長の近藤貴士郎医師による研修医のための勉強会が行われました.
今回のテーマは「中毒・OD(前編)
本日の目標は・・・
①中毒に対しての基本的な診療の進め方を理解する
②あぶない中毒を知る
③中毒特有の治療法の適応を知る

Case1.救急隊からの電話
「30歳女性のoverdose(過量服薬)です」
「レベルはⅡケタ,BP90/50 HR60 SpO2 92 37.2℃」
「200錠くらい空きの薬があります.セパゾン®が100錠くらいとルボックス®とデパケン®とプロチゾラムが30錠くらいです」
「アルコール臭もします」

「到着まであと10分です」

さあ,患者さんの到着までにどんな準備をしますか!?
日々ERで研修をしていると,さまざまなケースに遭遇します.
中毒・ODの場合,原因物質に対して適切な処置をしなければ死に至ることもあります.
研修医のみんな,どんな検査が必要だろうか?もしご家族がいらっしゃったらどのようなことを聴きたいか?適切な処置は?悩みながらディスカッションしていました.

本日のまとめ・・・
①中毒はまず全身管理
②症状,所見が推定される原因物質と服用量で説明がつくかを常に考える
③胃洗浄,活性炭,血液浄化の適応は限られるが,実施するなら正しい方法で
④原因物質が不明なときは,症状,所見から系統を推測する

来週,「中毒・OD(後編)」へ続きます.
近藤先生,いつもありがとうございます.
卒後教育研修センター