★愛知県,名古屋で初期/後期研修を考えている医学生/研修医のみなさんへ★

当センターは,実り多き充実した研修生活が送れるよう,教育熱心な指導医と事務担当がチームとなって初期/後期研修医のみなさんを積極的にサポートしています.

https://nagoya.hosp.go.jp/interndoc-jr/

日頃の研修や勉強会の様子など当院の研修を体感いただけるような記事や,病院見学,説明会,採用活動関連の情報を随時発信してまいります.

興味のある方はのぞいてみてくださいね...φ(´ω`。)




2020年11月26日木曜日

初期研修に関するFAQ〔よくあるご質問〕

 11月13日,レジナビフェアオンライン中部Week2020に参加いたしました.

ご視聴くださった学生のみなさん,ありがとうございました.

学生のみなさんからいただいた初期研修に関するご質問にお答えいたします.


Q1.研修医の出身地はどこが多いですか?

A1.研修医の出身地・出身大学に偏りのないのが当院の特徴です.出身大学は北海道大学から琉球大学まで,さらに海外の大学出身の研修医もいます.愛知県出身の研修医もいますが,愛知県に縁もゆかりもない研修医も多く,皆さまざまな背景をもっていて多様性に富んでいます.

Q2.社会人経験者の応募はどのくらいありますか?

A2.別の学部を卒業(または中途退学),あるいは社会人経験を経て医学部に入り直した方の当院の採用試験受験者は,ここ数年は毎年数名いらっしゃいます.そのような方の中で,実際に当院にマッチして2年間の初期研修を修了した先輩医師もおります.採用試験において,年齢や経歴による受験生の区別は一切いたしませんので,ご安心ください.

Q3.求める人物像を教えてください

A3.患者さんはもちろん,院内のスタッフとコミュニケーションが良好に図れることが重要です.勉強の出来不出来よりも,何事にも積極的に前向きに,笑顔で頑張れる方と一緒にぜひ働きたいと考えています.

Q4.研修医でも学会発表はできますか?その際,補助はありますか?

A4.研修医も学会発表の機会があり,発表する場合は交通費・宿泊費が支給されます.当院は臨床研究センターがあり,研究に興味のある方はサポートを受けることができます.

Q5.現在COVID-19の影響で病院見学に伺えないのですが,見学の回数は採用に影響しますか?

A5.見学の回数は採用に影響しません.ただ,研修病院を選ぶにあたり実際に当院の診療科やスタッフの様子を見ていただくことは重要だと考えておりますので,1回は見学にお越しいただくことをおすすめいたします.またWEBによる見学(診療科の医師および研修医とオンラインでお話しいただきます)も随時受け付けています.

名古屋医療センターHP>病院見学のご案内

名古屋医療センターHP>医学生向け個別WEB診療科説明会

Q6.救急が強く,救急車搬送台数が1万近くということですが,症例を一つひとつ吟味し,ディスカッションする時間などはありますか?

A6.当院は重症症例が多いですが,walk in 症例が比較的少ない傾向にあります.ですから各症例をしっかりと時間をかけて診療できます.複数のER専属医が常駐し,毎日振返りカンファランスを行うなど十分な教育指導体制のもとで研修することが可能です.当直中もそのつど上級医に確認しながら診療できますし,有意義な症例は定期的に勉強会を開いて共有しています.

Q7.どのような手技ができますか?

A7.気管挿管,全身麻酔管理,腰椎穿刺,胸腔ドレナージ,開胸心臓マッサージ,中心静脈カテーテルなど,侵襲性の高い手技も上級医の指導のもとで経験できます.


初期研修に関して他に気になることやご質問がありましたら,お気軽に卒後教育研修センターまでメールでお問い合わせください.

メールアドレス:311-sotsugok@mail.hosp.go.jp

卒後教育研修センター

2020年11月19日木曜日

【再告知】医学生のみなさまへ 臨床研修病院説明会/オンライン説明会のお知らせです

 開催日が近づいてまいりました.再度お知らせいたします.


12月5日,医学生対象

名古屋医療センター(Nagoya Medical Center)

初期臨床研修説明会/オンライン説明会を開催いたします.

当院へお越しいただくか,オンラインでご視聴いただくか,参加方法をお選びください.

オンライン会議ツールCisco Webex Meetingsを利用し,名古屋医療センターより同時配信いたします.

《日時》2020年12月5日(土)14:00より(1時間程度)

《会場》名古屋医療センター 講堂

《対象》医学生

《プログラム》(予定)

①NMCの初期研修紹介:当院の初期研修について研修医が等身大で語ります.

②NMCのER紹介:当院のER研修についてER専属医がお話しします.

③質疑応答:気になってるあんなことやこんなこと,研修医がお答えします.プログラムや研修について,研修医に聞いてみたいことがありましたら下記申込みフォームにご記入ください.


COVID-19感染拡大により病院見学や説明会が軒並み中止となる中,ご自身の進路選択に不安を抱えている医学生の方も多いと思います.

当院の説明会は研修医が企画・運営するカジュアルな会です.

医学生のみなさん,ぜひお気軽にご参加ください.

参加ご希望の方は,こちらのエントリーフォームよりお申込みください.

卒後教育研修センター

2020年11月4日水曜日

研修医オンライン勉強会「藤田医科大学 岩田充永先生の救急カンファレンス」(2020.10)

 藤田医科大学 救急総合内科教授岩田充永先生には

月に一度当院のER症例振り返りカンファレンスにファシリテーターとしてお越しいただいています.

10月30日のカンファレンスはWebex Meetingsを利用してオンラインで開催されました.


今回は,研修医1年次H医師と専攻医H医師がそれぞれ症例提示しました.

〔症例①〕

50歳代の男性,レベル低下と脱力が主訴の患者さんです.訪問介護の担当者が自宅を訪れたところベッド近くで倒れているのを発見,救急要請しました.

搬送時,JCSはⅠ-1,血圧が低く,徐脈,体温も低下していました.アルコール依存症による肝硬変が既往にある患者さんでした.

H医師は血圧の低さがショック状態と判断,アルコールによる脱水の可能性とショックの鑑別を考えました.

岩田先生:意識障害の鑑別を考えていけばよいですが,患者さんの年齢や生活背景,バイタルをみると,いろいろな要素が複雑に絡み合ったケースかもしれないと念頭に置く必要がありそうですね.徐脈+ショックの場合にはどのような鑑別が考えられるでしょうか?

研修医のH医師は今回の症例を振り返って,徐脈+ショックの鑑別が十分にできなかったことが反省点です…と言っていました.

血液のデータから低血糖が明らかで,さらに急性膵炎が疑われ,補液,血糖の補正が行われました.その後ICUに入院となり,急性膵炎の治療によりバイタルは正常化したということです.

岩田先生より,肝硬変が既往にある患者さんの血糖補正の際の注意点と,コンサルテーションの仕方についてアドバイスをいただきました.

〔症例②〕

80歳代の女性,意識障害の患者さんです.施設入所中の方で,昼過ぎに突然顔面蒼白になり,倒れ込みました.要介護4ですが施設内では歩行器歩行でき,食事も自己摂取できる方です.

搬送時のGCSは3点.意識障害とⅡ型呼吸不全…挿管が必要となりそうだな…と上級医と相談しているところへ患者さんの入所している施設の方が到着されました.

施設の方によると,この患者さんは「人工呼吸器は嫌だ」という Living Will をお持ちの方でした.

専攻医のH医師は,現時点では患者さんの状態が不治であるかはわからない…ただ自発呼吸では直に呼吸停止してしまうだろう…どうしよう…と考えました.

ここで専攻医H医師より,カンファレンスに参加していた研修医のみんなに向けて質問が投げかけられました.

研修医の皆さんなら,どうしますか?

①何を言っているんだ!挿管するに決まっている!

②要はDNARでしょう?何もしなくて良いんじゃ…

③補助換気しながら,可能な範囲で原因検索をしよう

④(他の意見はありますか?)


CT検査によると気管内異物があり,気道閉塞が最も疑わしかったということです.ERでは意識レベルの改善はなく,いつ呼吸停止するかわからない状態でした.内科の医師により入院,Living Will 通りに侵襲的なことは行わない方針となりました.

患者さんは翌日,覚醒し会話可能になり,麻痺などの症状もありませんでした.誤嚥性肺炎の治療を行い,第11病日で退院し元の施設に戻ることができました.

岩田先生は「非常に深くて,難しいケースでしたね.今回の Living Will は不治かつ末期である場合に延命措置を施さないでほしいということであり,われわれ医師は患者さんを目の前にしたら救命できる疾患がないか原因検索の手を止めてはいけないし,救命できる方法がないか考えることをやめては決していけないですよね」と仰いました.

専攻医のH医師は,Living Will のはっきりしている患者の意識障害を経験し,延命を希望しないことと治療をしないことは同一ではないことを再認識できたと発表しました.カンファレンスに参加していた研修医のみんなもDNAR,Living Willについて改めて考えることができました.


1人ができる経験は限られていますが,こうして1人の経験を共有することで全員のレベルアップにつながります.

岩田先生,ありがとうございました.

卒後教育研修センター