12月25日クリスマスの今日も,研修医たちが集まりました.
SEA(Significant Event Analysis)という方法で
日々の研修の中で,モヤモヤしたこと,嫌だったこと,感動して涙が出たこと,悔しかったこと,心がズーンとしたこと・・・自身の感情が揺さぶられた経験について振り返りました.
研修医1年次 Y.Y医師がERで経験した症例;
60代 女性
動悸と脱力を主訴に救急搬送
HR150 BP高め
心電図検査に異常を認め,心疾患が疑われました
ひと通りの診察を終え,お手洗いに行かれる患者さん
その歩き方を見たY.Y医師は,何か違和感を覚えました.
そこでもう一度診察をし直してみると,左下肢に脱力を認め,
CT検査の結果,視床出血が起きていることがわかりました.
▶Y.Y医師と話を聞いた同期メンバーの気持ち・・・
あぁぁ気がついて良かった・・診察し直して良かった・・
見逃すかもしれなかった
コワイなぁ・・
動悸が主訴の場合 心電図検査をすることは当然.
そこで頭に何か起こっているかもと疑う視点はバタバタしているERではなかなか持てないなぁ
視床出血なら頭痛など症状が出ていてほしいよぉ・・
このように,さまざまな感情がワァッと動いたとき,人は教科書や参考書を読んで勉強するよりも,先輩のレクチャーを聞いて勉強するよりもはるかに,大きな学びを得て成長するのです.
その経験は自分自身を成長させ,さらに後輩へ伝えるときには言葉に“魂”がのるのだと脇坂先生は言います.
日々の臨床の中で,
こうしたほうがもっとよかった,あれで本当によかったのだろうか・・・と反省するのが8割,
自分の判断は間違っていなかった,気がつくことができてよかった・・・と思えるのが2割・・いやもしかしたらもっと少ないかも,と脇坂先生.
少し恥ずかしいけれど,失敗や反省を話して仲間と共有することで,自分自身の感情や言動を客観的に振り返る・・・そんな機会をもつことが医師としての成長の階段を上る一歩でもあります.
慌ただしく過ぎ去る日々の研修で,ただ毎日をこなすだけではなく
ときには少し立ち止まって,経験を省察する・・・
よし!また明日からがんばろう!と気持ちを新たにした研修医のみんなでした.
卒後教育研修センター