★愛知県,名古屋で初期/後期研修を考えている医学生/研修医のみなさんへ★

当センターは,実り多き充実した研修生活が送れるよう,教育熱心な指導医と事務担当がチームとなって初期/後期研修医のみなさんを積極的にサポートしています.

https://nagoya.hosp.go.jp/interndoc-jr/

日頃の研修や勉強会の様子など当院の研修を体感いただけるような記事や,病院見学,説明会,採用活動関連の情報を随時発信してまいります.

興味のある方はのぞいてみてくださいね...φ(´ω`。)




2020年9月1日火曜日

研修医オンライン勉強会「藤田医科大学 岩田充永先生の救急カンファレンス」(2020.8)

 藤田医科大学 救急総合内科教授岩田充永先生には

月に一度当院のER症例振り返りカンファレンスにファシリテーターとしてお越しいただいています.

8月28日の救急カンファレンスはオンラインで開催されました.


今回は研修医1年次のY医師が症例提示をしました.

5月,ERローテが始まって間もないある日,朝8:20頃の当直帯からの引継ぎの時間に救急搬送された患者さんです.

患者さんは70歳代の男性,社宅に住んでいる隣人がバタンという音を聞いて玄関の戸を開けると男性が倒れているのを発見,救急要請しました.男性は意識を失って倒れたようでした.

救急隊によると,男性は意識を取り戻し,開眼しているものの目線が合わないようだということです.倒れたときに頬を打ち,擦過傷がありました.

到着時,少しぼんやりした印象ではあるものの意識はクリアな状態で,SpO2が低下していました.患者さん本人によると,トイレに行こうとしたら嘔気を感じ,その後倒れたようだということでした.

Y医師は,JCSは0と判断.SpO2低下ですが胸部レントゲンには肺炎などの所見は認めません.

ここで岩田先生からの問いかけ!

JCSが0かⅠか,それによって鑑別が変わってきますよね⁉

失神プラスSpO2低下はどんな鑑別が挙げられるでしょうか?

岩田先生の問いかけに,参加した研修医たちは考えます.

Y医師は不整脈を疑い,心電図と心エコーの検査を行いましたが不整脈の兆候は認めませんでした.次に行うべき検査として,転倒時に擦過傷ができるほど頭を打っていることから,頭部CTが必要ではないかと考えたY医師でしたが,上級医は体幹部の造影CTをオーダーしていました.

ここで岩田先生からの問いかけ!

Y先生は何を疑ってその検査が必要だと考えたのでしょうか?

自分の考える検査と異なる検査を上級医が行っていて,Y先生はどう思ったのですか?


造影CTの結果,肺塞栓症であることが判明し,患者さんは循環器内科の専門医のもと適切な治療を受けることになりました.


あとから振り返ると,所見,検査結果,すべてが線となってつながりますが,経験しないとわからないものです.早い時期にこのようなケースを経験できたことはY先生にとってよいことでしたね,と岩田先生.ERでの診察の鉄則は○○を疑って××の所見を探しに行くという診方,そして自分の考えと違うことを上級医が行っていたときにはその場でなぜそれが必要なのか聞けるといいですね,とおっしゃっていました.

研修が始まって1か月足らずの時期だったY医師にとって,今回の症例はとても学びの多いものになりました.

1人で経験できる症例は限られていますが,こうして1人の経験を共有することで全員がレベルアップできます.

1年次,2年次研修医とレジデントやスタッフ医師も参加し,充実した勉強会となりました.

岩田先生,ありがとうございました.

次回は9月末,オンラインでの開催予定です.

卒後教育研修センター

2020年8月17日月曜日

令和3(2021)年度初期臨床研修医採用試験を実施しました

 8月14日,15日の2日間にわたり

令和3(2021)年度初期臨床研修医採用試験を実施いたしました.


今年は新型コロナウイルス感染症の流行拡大により,すべての受験者を対象にオンラインで採用試験を行いました.

当院の研修医は出身大学に偏りがなく,全国各地からさまざまなバックグラウンドをもつメンバーが集まっていて多様性に富んでいるのが特徴の一つです.今年も北海道から九州まで全国各地の大学の学生の方が受験してくださいました.


採用試験は午前に筆記試験,午後から面接を行います.

当院では,研修医による面接と幹部・指導医による面接の2種類の面接を受けていただいています.来年4月からもっとも近い上級医となる現1年次研修医が,採用活動に積極的に関わっているのです.研修医たちは診療科のローテーション研修の合間の時間を見つけては面接の方法や学生の方への言葉がけなどについて話し合いを重ね,準備を進めてきました.


当院の採用試験では,私たちが受験生のみなさんを面接するのみならず,受験生のみなさんに研修医も含め私たちを面接していただいていると考えています.名古屋医療センターの文化に共感し理解していただいたうえで,医師としての第一歩を踏み出し,充実した2年間の研修を行ってほしいと思うのです.


オンラインでの実施となり,当院としても初めての試みで不慣れな点が数多くありましたが,受験生のみなさんにご対応いただき2日間のスケジュールを無事に終えることができました.

数ある全国の臨床研修病院の中から当院を志望し受験してくださった学生のみなさん,ありがとうございました.

一緒に働く日を,楽しみにしています!

卒後教育研修センター

2020年7月29日水曜日

個別WEB診療科説明会のようす

名古屋医療センターでは,
医学生向けの個別WEB診療科説明会を随時実施しています.

WEB会議ツールを用いて,興味のある診療科の医師やローテーション中の研修医と直接お話しいただきます.

今日は腫瘍内科の説明会のようすをご紹介します.

今回は主に研修医1年次のA医師が学生の方からの質問にお答えしていました.腫瘍内科の上級医が近くでスタンバイしてくださっていて,研修医では答えられない質問には上級医がお答えしました.
腫瘍内科の白石医師(左)

学生の方からは,
・マッチングの対策
・ER当直体制
・ローテーションの組み方
・文献のアクセス
・3年目以降の進路選択
などの質問がありました.

1年次研修医のA医師,研修が始まって4か月が経とうとしています.
当直では重症の患者さんを診る機会も多く,3年目以降につながる研修ができていると感じると学生の方にお話ししていました.

病院説明会や見学が中止になり,研修病院選びに苦労されている医学生の方が多いことと思います.
ぜひお気軽に個別WEB診療科説明会へお申込みください.
名古屋医療センターHP 医学生向け個別WEB診療科説明会
卒後教育研修センター

2020年7月22日水曜日

病院見学受け入れ中止のお知らせ

名古屋医療センターでは,新型コロナウイルス感染症の流行拡大状況により
2020年7月27日(月)より病院見学の受け入れを全面中止いたします。

見学の再開につきましては,当院ホームページや当ブログでお知らせいたします。
ご理解のほど,何卒よろしくお願い申し上げます.

なお,医学生向けの個別WEB診療科説明会は随時受け付けておりますのでぜひこちらにお申込みください.

初期臨床研修医採用試験はオンラインで実施します

現在,名古屋医療センターでは令和3年度初期臨床研修医の募集をしておりますが,
新型コロナウイルス感染症の流行拡大状況により,今年度の採用試験はすべての受験者を対象にオンラインで実施することを決定いたしました.

全国の医学生のみなさん,
医師としての貴重な最初の一歩を
名古屋医療センターのあたたかな研修環境の中でスタートしませんか.

ご応募をお待ちしております.

詳細は名古屋医療センターホームページをご覧ください.
卒後教育研修センター

2020年7月13日月曜日

研修医オンライン勉強会「熱中症」

7月9日,
救急集中治療科の自見先生による研修医向けオンライン勉強会
「熱中症」が開催されました.

熱中症とは「暑熱環境における身体適応の障害によっておこる状態の総称」である.すなわち「暑熱による諸症状を呈するもの」のうちで,ほかの原因疾患を除外したものを熱中症と診断する.(熱中症ガイドライン2015,日本救急医学会)

熱中症のリスクファクターや分類,クーリングの方法や注意点,初期評価と鑑別診断などについて詳しく解説がありました.
卒後教育研修センター

2020年7月8日水曜日

研修医オンライン勉強会「電解質異常」

6月30日,
腎臓内科の東先生による研修医向けオンライン勉強会
「ERで出会う電解質異常」が開催されました.

・ERで出会う主要な電解質異常に対して初期対応ができるようになる
・電解質異常の原因検索としてどのような検査をオーダーしたらよいか知る
・初期治療の方法

以上3つを目的に,症例を提示しながら高K血症,低K血症,高Na血症,低Na血症それぞれの症状や検査所見,原因検索の方法や治療法について詳しく解説がありました.

最後に,
「電解質のことで困ったことがあるときはいつでも腎臓内科に相談してくださいね」
とやさしいメッセージがありました.

当院の初期研修を修了し,現在は腎臓内科医として働く東先生.4月の研修医オリエンテーション時にもプレゼンテーションの仕方についてレクチャーを担当してくださるなど,さまざまな場面で研修医の指導にあたってくださっています.

東先生のように,当院で初期研修を修了したあと後期研修も引き続き当院で行い,各診療科でスタッフとして働く医師が多くいます.そのような先生たちが,研修医の気持ちをよく理解してくださり,良い伝統が引き継がれ,研修医たちに対しいつも温かな指導をしてくださいます.

東先生,いつもありがとうございます.
卒後教育研修センター