卒後教育研修センターでは年に2回,研修医のフィードバック面談を行っています.
研修医一人ひとりと,センター長または副センター長の先生が30分程ゆっくりと話をします.
日頃の研修で良かったことや印象的だった経験,うまくいかなかったこと,困っていること,悩んでいること,進路や休日の過ごし方,病院への要望など話題は多岐にわたります.
またある日の面談で,副センター長の小暮先生は
「研修が始まって2か月が経ち,ERや病棟での動き方がわかってきました」という研修医に
「たしかにそれはそうだね.ただ動き方が分かるというのは単に環境に慣れて作業ができるようになっただけで,医師としての本質ではないからね.まず患者さんをみて考えることが何より大事.カルテの前に座る前に,まず考えること.いきなり検査をするのではなくて,診断のためにどんな検査が必要か考えて.無駄な検査は患者さんの不利益になるからね」とアドバイスしていました.
研修医が「鑑別に挙げたものにもれがあることが多くて反省ばかりです」と悩みをこぼすと,
「当たり前だけど,今は知識が少ないからね.いつもなにか見落としているはずだと思って患者さんにあたることが大切です.問診,診察の仕方を工夫して,そして勉強すること.●●な症状から▲▲という鑑別が挙がる,じゃあ▲▲という鑑別で考えられる症状は他にどんなものがあるか?というように,関連する知識を『輪』のように広げていく勉強法が良いと思います.
それから大変な状況を体感すること.100回教科書を読むよりも,1回の経験が力になることがよくあります.怖さと無力感を実感することが成長への近道です.だから,たくさん病棟へ足を運んで,1st callを自分にもらえるようにしてください」と話していました.
忙しい普段の研修の中では,自身を客観的に振り返る機会はなかなか無いものです.
研修医たちはそれぞれ,自身の経験や思いを話し,指導医から褒められたりアドバイスをもらったりして,また明日からがんばろう!という表情で面談を終えていきました.
卒後教育研修センター
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