卒後教育研修センターでは年に2回,研修医のフィードバック面談を行っています.
研修医一人ひとりと,センター長または副センター長の先生が30分程ゆっくり話をします.
日頃の研修で良かったことや印象的だった経験,うまくいかなかったこと,悩んでいること,困っていること,キャリア設計の話や休日のリフレッシュの方法など,話題は多岐にわたります.
先日の面談で,副センター長の小暮先生は
「将来,どんな進路を考えている?」と研修医に尋ねました.
研修医は
「〇〇科か△△科で迷っています.地元である愛知県から出ることは考えていません」と答えました.
小暮先生は
「広い世界に目を向けることも考えてみて.例えば建物の1階から見える景色と,5階に上がって見える景色は違うでしょう?
それから自分のやりたいこと,興味のあること,叶えたい夢は,ぜひ言葉に表していろいろな人に話すと良いですよ.何がどこで繋がっているか,縁があるかわからないものです.自分の心の中に留めておかず発信することで,意外なチャンスが巡ってくることがあると思います」と,自身の体験談を交えながらアドバイスしていました.
また別の面談日,
「呼吸器内科で毎日診察を行っていた担当患者さんが目の前で亡くなりました.日々仕事をこなすにつれて,自分の医師としての無力さ,不甲斐なさを実感しています」とこぼした1年次研修医のO医師.
「目の前で患者さんが亡くなると,予期していた経過であったとしても,驚いて体が動かなくなってしまう,CPRしなきゃと頭ではわかっているのに動けない…その状況はよくわかります.医者なのに何もできない,無力感,本当にその通りなのです.
その無力感,不安感に立ち向かうには,経験を無駄にせず,学び,勉強し続けていくことです.そして主体的に患者さんを診て,常に主治医の意識を持つこと.
今は言われたことをやるだけで精一杯だと思いますが,そこから更に先読みして,治療方針を上級医とディスカッションできるようになることを目指してください」と小暮先生は話しました.
それを聞いたO医師は
「はい!これからも精進したいです!」と元気に答えていました.
忙しい普段の研修の中では,自身を客観的に振り返る機会はなかなか少ないものです.
研修医たちはみんな自身の経験や思いを話し,指導医から褒められたりアドバイスをもらったりして,晴れやかな表情で面接を終えていきました.
卒後教育研修センター
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